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「品質保証」オメガは本作に日付表示のない手巻き版を採用した

おそらくは、このムーブメントの地板と受けをセラマイズドチタンに改めたのが、Cal.8929 TIである。採用の理由は不明だが、理論上は擦過に強いため、丸穴車と受け間の抵抗などは小さくなるはずだ。別の理由も考えられる。リュウズを押し込み式に変えた結果、おそらくリュウズはチューブではなくムーブメント自体で保持されている可能性が高い。巻き真を支える部分の負荷は増えるはずで、とすれば、柔らかい真鍮やチタンではなく、硬いセラマイズドチタンが望ましいだろう。


 このモデルは、オメガのアンバサダーであるゴルファーのローリー・マキロイの協力によって開発された。狙いは、ゴルフのプレー時の強い衝撃にも耐えられる機械式時計を作ること。もっとも理論上、高い振動数と、緩急針を省いたフリースプラングテンプ、そしてシリコン製のヒゲゼンマイを採用すれば、強いインパクトを受けても、精度が大きく変わることはない。


 幸いにもフリースプラングとシリコン製のヒゲゼンマイを持つオメガのマスタークロノメーターは、そもそも高い耐衝撃性能という条件を完全に満たしていた。アクアテラに「ゴルフ」モデルが存在する理由である。しかしながら同作は、ゴルフのインパクトに耐えられる耐衝撃性能は持っていたものの、基本的にはアクアテラの色違いでしかなかった。今回オメガは、その性能をさらに飛躍させたわけだ。


 加えてオメガは、本作に日付表示のない手巻き版を採用した。理由は薄くするためではなく、さらに耐衝撃性能を高めるため。その証拠に、手巻きムーブメントを採用したにもかかわらず、ケースは決して薄くない。



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